トップ
>
温味
>
ぬくみ
ふりがな文庫
“
温味
(
ぬくみ
)” の例文
博士は
蹲
(
しゃ
)
がんだ。「まだいくらか
温味
(
ぬくみ
)
があります、しかし息はもう絶えているようです。持上げますからちょっと手伝って下さいませんか」
秘密の庭
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
凡そ鮪の土手を分厚の短冊におろして、伊豆のツンとくるやつを
孕
(
はら
)
ませ、握りたてのまだ手の
温味
(
ぬくみ
)
が失せぬほどのを口にする旨さは、天下これに上こす類はないのだ。
残されたる江戸
(新字新仮名)
/
柴田流星
(著)
なお幾夜かくあるべくありしなり、阿園には夫婦の
睦
(
むつ
)
みいまだ尽きず、
閨
(
ねや
)
の
温味
(
ぬくみ
)
いまだに冷えず、恋の夢ただ見初めたるのみなりしなり、彼は哀れにも尼の願いを起し
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
けれど、気の弱い私は宿の者にその旨申し出ることもできず、辛抱して、なるべく
温味
(
ぬくみ
)
の多そうな隅の方にちぢこまって、ぶるぶる顫えていると、若い男がはいって来た。
秋深き
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
私は、吸い物椀を手に持った時の、掌が受ける汁の重みの感覚と、生あたゝかい
温味
(
ぬくみ
)
とを何よりも好む。それは生れたての赤ん坊のぷよ/\した肉体を支えたような感じでもある。
陰翳礼讃
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
「をツさん、筆……筆。」と、お文は銀場の筆を叔父の手から取り戻して、
懈怠
(
けだる
)
さうに、叔父の肥つた膝の
温味
(
ぬくみ
)
の殘つた座蒲團の上に坐ると、出ないのを無理に吐き出すやうな欠伸を一つした。
鱧の皮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「まだ、
温味
(
ぬくみ
)
があるか」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「をツさん、筆……筆。」と、お文は銀場の筆を叔父の手から取り戻して、
懈怠
(
けだる
)
さうに、叔父の肥つた膝の
温味
(
ぬくみ
)
の残つた座蒲団の上に坐ると、出ないのを無理に吐き出すやうな
欠伸
(
あくび
)
を一つした。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
温
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“温”で始まる語句
温
温和
温泉
温順
温柔
温気
温暖
温泉宿
温泉場
温習