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渡邊橋
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わたなべばし
以て
彌々明十日大坂表御出立明後十一日京都御着の思召なれば
其用意有べしと
認め送れり頃は享保十一丙午年六月十日の
早天に大坂
渡邊橋の旅館を出立す
其行列以前に倍して
行粧善美を
渡邊橋の天一坊の
旅館へ
遣はさる兩人は
玄關より
案内に及べば取次は
遠藤東次右衞門なり出て
挨拶に及ぶに兩人の
與力の申には我々は
西町奉行松平日向守
組與力なるが天一坊殿に
御重役御意得たし少々
御伺ひ申度儀ありと
述ぶ
取次の遠藤東次右衞門は
早速奧へ
斯と通ぜんと
先兩人を