渇望かつばう)” の例文
渇望かつばうする思ひだけが、馬鹿に強くなつて、この現実には、なるべく体当りしないやうなずるさになつて来てるしね。浦島太郎のはんらん時代なんだよ。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
ところで肉と肉とが接觸したら、其の渇望かつばうみたされて、お前に向ツて更にのぞみを持つやうになツた。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
わたくし人並ひとなみ生活せいくわつこのみます、じつに、わたくし恁云かうい窘逐狂きんちくきやうかゝつてゐて、始終しゞゆうくるしい恐怖おそれおそはれてゐますが、或時あるとき生活せいくわつ渇望かつばうこゝろやされるです、非常ひじやう人並ひとなみ生活せいくわつのぞみます、非常ひじやう
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)