江西こうせい)” の例文
臨済りんざいは三たび黄檗おうばくに道をたずねて、三たび打たれた。江西こうせいの馬祖は坐禅すること二十年。百丈の大智は一日さざれば一日くらわず。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
丹泉は元来毎〻つねづね江西こうせい景徳鎮けいとくちんへ行っては、古代の窯器の佳品の模製を良工に指図しては作らせて、そしていわゆる掘出し好きや、比較的低い銭で高い物を買おうとする慾張りや
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
江西こうせいへの旅は遥かだった。しかし、旅にはよい仲春ちゅうしゅんの季節でもある。禁門の大将軍洪信こうしんは、おびただしい部下の車騎しゃきをしたがえて、都門ともん東京とうけいを立ち、日をかさねて、江西信州の県城へ行きついた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の書のたいたるや、水滸伝すいこでん平妖伝へいようでん等に同じといえども、立言りつげんは、綱常こうじょう扶植ふしょくし、忠烈を顕揚するに在りというをもって、南安なんあんの郡守陳香泉ちんこうせんの序、江西こうせい廉使れんし劉在園りゅうざいえんの評、江西の学使楊念亭ようねんていの論
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)