水溜みずため)” の例文
家へ帰ると彼は中へは入らずに直ぐ裏へ廻って、流し元の水を受けるおけを埋めた水溜みずための縁の湿っぽい土の中へ金剛石を浅くいけた。
(新字新仮名) / 横光利一(著)
(今は山形県新庄しんじょうの雪害調査所の陳列室に在る)。一つはこれも長さ六尺に及ぶクシである。水溜みずためが二つってあって珍らしい。二肢ふたあしの自然木が左右の足となって支える。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
腹にうろこがあるけれど、蜥蜴とかげでもなく、背中にいぼがあるけれど、がまでもなく、古い石灰かまどやかわいた水溜みずためなどの中に住んでいて、まっ黒で毛がはえ、ねばねばして、あるいは遅くあるいは早くはい回り
片隅の竹囲いの中には水溜みずためがあってあひるが飼うてある。
車上の春光 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
これは水溜みずためで、旱魃かんばつの時の用意でございます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)