“気先”の読み方と例文
読み方割合
きさき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「仰せのとおりですが、お気先きさきやわらいだ折を見はからって、手前から、そろそろと申しすすめてみましょう。お任せくださいますか」
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
度々たびたび来ているうち、その事もなげな様子と、それから人の気先きさきね返す颯爽さっそうとした若い気分が、いつの間にか老妓の手頃な言葉がたきとなった。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
木村も葉子も不意を打たれて気先きさきをくじかれながら、見ると、いつぞや錨綱びょうづなで足をけがした時、葉子の世話になった老水夫だった。彼はとうとう跛脚びっこになっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)