“錨綱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いかりづな85.7%
びょうづな14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
半年ほどの交渉のうちに、若い画家は、かの女の持つ稀有けうの哀愁を一生錨綱いかりづなにして身に巻きつけ、「真面目まじめなるもの」に落付きいといひ出した。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
舳のむこうづらに垂れさがっている錨綱いかりづなをつたってスルスルとのぼって行き、身軽に前口まえぐちへ飛びこんだが、それっきりいつまでたっても出て来ない。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
木村も葉子も不意を打たれて気先きさきをくじかれながら、見ると、いつぞや錨綱びょうづなで足をけがした時、葉子の世話になった老水夫だった。彼はとうとう跛脚びっこになっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)