毛筋けすじ)” の例文
いまさらおまえさんとこの太夫たゆうが、金鋲きんびょうった駕籠かごむかえにようが、毛筋けすじぽんうごかすようなおんなじゃねえから安心あんしんしておいでなせえ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
業畜ごうちく、心に従はぬは許して置く、くろがねむろに入れられながら、毛筋けすじほどの隙間すきまから、言語道断の不埒ふらちを働く、憎い女、さあ、男をいつて一所いっしょに死ね……えゝ、言はぬかうだ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
毛筋けすじほどの雲も見えぬ。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)