母御前はゝごぜ)” の例文
姉御とは本當は姉御前あねごぜの尊稱で、とは敬ししたしんだ呼び名ゆゑ、母御前はゝごぜとおなじに、よばれて嬉しい名でなければならないのを、きやん(侠)な呼名に轉化してしまつて
凡愚姐御考 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
母御前はゝごぜ意地いぢわるにさからふやうのこときみとしてきに相違さういなけれどもこれだい一にこゝろがけたまへ、ふことはおほし、おもふことはおほし、れはおわるまできみのもとへふみ便たよりをたゝざるべければ
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すこやかなれかしと祈りて此長き世をば盡さんには隨分とも親孝行にてあられよ、母御前はゝごぜの意地わるに逆らふやうの事は君として無きに相違なけれどもこれ第一に心がけ給へ、言ふことは多し
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)