武重たけしげ)” の例文
「幕府より何程逆燄ぎゃくえんを奪い悖逆はいぎゃくの処置ありとも、御頓着とんちゃくなく後鳥羽ごとば後醍醐ごだいご両天皇を目的として、御覚悟定められば、正成まさしげ義貞よしさだ高徳たかのり武重たけしげの如き者累々継出つぎいでんは必然なり」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
……というのは吾輩が、司令官の武重たけしげ中将を膝詰談判で動かした結果だったがね。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
元弘の忠臣菊池武時たけときが、賊将少弐大友しょうにおおともの軍に包囲されて、最期の孤塁から家郷の妻を思い、一子武重たけしげに歌をたくして、母のもとはしらせたというその辞世じせいを——いまの自分に思いあわせて
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)