櫛比しつぴ)” の例文
都會とくわいの土地は殊更ことさら繁昌はんじやうきそふ大江戸の中にも目貫めぬきは本町通り土一升に金一升といふにたがはぬ商家の櫛比しつぴ土庫ぬりこめたかく建連ね何れもおろか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夜鷹よたかと辻斬が名所で、つい先頃までの、櫛比しつぴする古着屋などがあるわけもなく、空地と少しばかりの屋敷と豐島町寄りになつて、いくらか町家があつたに過ぎません。
閲す。凡三四町書肆櫛比しつぴす。塩屋平助、秋田屋太右衛門の店にて購数種書。伏見宇兵衛来て秋田屋に家居せり。両本願寺へ行き道頓堀を経過して日暮かへる。此日晴。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)