橋向はしむかう)” の例文
烟が散つてから見れば、もう敵は退いて、道が橋向はしむかうまで開いてゐる。橋詰はしづめ近く進んで見ると、雑人ざふにんが一人打たれて死んでゐた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「あつちとおなじでいゝのよ。おねがひするわ。宿賃やどちんだけ余計よけいになるけど。」とひながら、道子みちこ一歩一歩ひとあしひとあしをとこ橋向はしむかうくらはうへとつてかうとする。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)