極楽鳥ごくらくちょう)” の例文
旧字:極樂鳥
町には、貝がらだの、珊瑚さんごだの、極楽鳥ごくらくちょう標本ひょうほんだの、大きな剥製はくせいのトカゲだの、きれいにみがいてあるべっこうガメの甲羅こうらなどを売っていて、みんなほしくなった。
恐竜艇の冒険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
足はみな裸足だが獣骨の足環あしわをはめ、半身の赤銅のような皮膚をき出しているが、腕くびに魚眼や貝殻の腕環うでわをなし、紅毛碧眼へきがんの頭には、白孔雀しろくじゃく極楽鳥ごくらくちょうの羽根を飾って、怪美なこと
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、世間の思っているように岩山ばかりだったわけではない。実は椰子やしそびえたり、極楽鳥ごくらくちょうさえずったりする、美しい天然てんねん楽土らくどだった。こういう楽土にせいけた鬼は勿論平和を愛していた。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あらゆる罪悪の行われたのち、とうとう鬼の酋長しゅうちょうは、命をとりとめた数人の鬼と、桃太郎の前に降参こうさんした。桃太郎の得意は思うべしである。鬼が島はもう昨日きのうのように、極楽鳥ごくらくちょうさえずる楽土ではない。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)