柄香炉えこうろ)” の例文
その他、なお、舎利塔、位牌、如意、持蓮じれん柄香炉えこうろ常花とこはなれい五鈷ごこ、三鈷、独鈷とっこ金剛盤こんごうばん、輪棒、羯麿かつま馨架けいか雲板うんばん魚板ぎょばん木魚もくぎょなど、余は略します。
いつか、杖も柄香炉えこうろも、手になかった。生命いのち一つを大事に、よろい歩くのが、やっとであった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無惨にも捕虜の待遇を受けた村正どん、命ぜられるままに、柄香炉えこうろを持つような恰好かっこうをして、神妙に坐り込んでいると、そこで、聯合軍がまた解けて、同志討ちの大乱闘をつづけてしまいました。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そして、銀の柄香炉えこうろを片手に、折々、こういては、「六こん清浄しょうじょう」を口にとなえ、身に寸鉄を帯びるでもなく、白木の山杖一ツを力に、あまたの道士に見送られて、上清宮じょうせいぐうを出立した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)