村長むらおさ)” の例文
村長むらおさの話をきけば、数日前に、このうちへとまって飄然ひょうぜんったというみょうな老人というのこそ、どうやら果心居士であるような気がする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あらかじめ、通過の触れは聞えていたので、あちこちの部落では、村長むらおさを始め、老幼男女、みな軒ばに坐って、黙送していた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹操は、それを眺めて、「地頭や村老をよべ」と命じ、やがて、恐る恐る揃って出た村長むらおさや百姓たちに向って、こうさとした。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「大殿。ただ今、神官や村長むらおさどもが、御門出おんかどでの祝いにと、この山の渓流でれた串魚くしざかなやら餅など捧げ持って見えましたが」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村長むらおさの門まで来ると、ふと佐渡の目をひいた物がある。今朝建てたばかりのような、真新しい制札に、墨色まで水々と、こう書いてあるのだった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「沿道の百姓どもが、道の清掃を怠って、小石を残しておいたからだろう。見せしめのため、村長むらおさくびきれ」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここには、劉恢が土豪として、村長むらおさの役目をも兼ねているせいか、悪吏も棲まず、匪賊の害もなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉は、寺へは寺領を寄進し、村長むらおさへは、村一同への恩賞を下げ渡して出発した。列伍は長々とつづいて行く。母堂は急づくりの山駕やまかごへ乗せられ、秀吉夫婦が側へついていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壁と屋根ばかりな茅屋あばらやへ、領主が休息したので、村民は、ひどく恐縮して、あわてて床几しょうぎむしろを持ち出して供えるやら、村長むらおさの娘が盛装して接待するやら、時ならぬ騒ぎだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、何もお叱りはねえよ。だが決してこのことは口外するな、もし口外したやつは、村にはおかぬぞというお達しだぞ。村長むらおさのわしの立場もなくなる。みなの衆、頼んだぞ。牢城営へはいっさいおしになっててくれよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村長むらおさが出て来て、地に平伏しながら答えた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亭主ていしゅ」と案内あんないしてきた村長むらおさを見おろした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するとほどなく、村長むらおさが飛んできて
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村長むらおさの紋付を着た老人が
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)