本宿ほんじゅく)” の例文
新「妙だってお前達めえたちおかしいぜ、うかして居るぜ急いでってくんねえ、小塚ッ原などへ来て仕様がねえ、千住へでも泊るから本宿ほんじゅくまで遣っておくれ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひがしはこの品川の本宿ほんじゅくと、西は、琵琶湖畔びわこはんの草津と、東海道の両端で、のぼり下りの荷を目方にかけて、きびしく調べたものだが、今夜は、それどころではないらしい。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こうして二人は、鞠子まりこ本宿ほんじゅくから二軒家にけんや立場たてばへは休まずに宇都谷峠うつのやとうげの上りにかかりました。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
去年の火事に焼けてから神奈川の本宿ほんじゅくへ引っ込んで、西の町に住んでいるそうですが、女房子にょうぼこのない独り者で、吾八という若けえ弟子と二人っきりで男世帯を張っていると云うことです
半七捕物帳:59 蟹のお角 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
舞木まいきの小屋であったか、本宿ほんじゅくの辺りであったか」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)