あけがた)” の例文
旧字:
余儀なく寐返りを打ち溜息をきながら眠らずして夢を見ている内に、一番どりうたい二番鶏が唱い、漸くあけがた近くなる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
すると熱い涙が流れ出して、自分で自分を思いやって泣きました。髪は濡れ、枕紙も湿りましたのです。思いつかれるばかりで、ついあけがたまで目も合いません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
といってもあけがたに薄っすりと陽の光りがさしこんでくる位の明るさだった。
火葬国風景 (新字新仮名) / 海野十三(著)