早生わせ)” の例文
それは今では滑かなヌルデ(Rhus glabra)ですっかりおおわれ、最も早生わせのアキノキリン草(Solidago stricta)がそこで見事にそだつ。
最早早生わせ陸稲おかぼも蒔かねばならぬ。何かと云う内、胡瓜きゅうり南瓜とうなす甘藷さつま茄子なすも植えねばならぬ。ひえきびの秋作も蒔かねばならぬ。月の中旬には最早大麦おおむぎが色づきはじめる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あの白堊はくあ、あの石灰、あの石膏せっこう、あの荒地や休耕地のきびしい単調さ、奥深い所に突然見えてくる農園の早生わせの植物、僻地へきちと都市との混合した景色、兵営の太鼓が騒々しく合奏して
主婦しゅふの誕生日だが、赤の飯に豆腐汁で、いわしの一尾も無い。午前に果樹園かじゅえんを歩いて居たら、水蜜の早生わせが五つばかりじゅくして居るのを見つけた。取りあえず午餐の食卓にのぼす。時にとっての好いお祝。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)