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既
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とう
ふりがな文庫
“
既
(
とう
)” の例文
つまり、それ以前
既
(
とう
)
に、彼女は
室
(
へや
)
を出ていて、あらかじめこの事を予期していたために、水を用意していた——とも云えるだろう。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
庭には小さいながらも池があつて、赤い黒い、尺許りの鯉が十
尾
(
ぴき
)
も居た。家の前には、其頃村に唯一つの
衡門
(
かぶきもん
)
が立つてゐた。叔父の家のは、
既
(
とう
)
に朽ちて了つたのである。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
伸子さん、
既
(
とう
)
に嵐と急迫の時代は去りましたよ。この館も再び
旧
(
もと
)
のとおりに、
絢爛
(
けんらん
)
たるラテン詩と
恋歌
(
マドリガーレ
)
の世界に帰ることでしょう。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
日射
(
ひざし
)
は午後四時に近い、西向の校舎は、
後
(
うしろ
)
の木立の濃い緑と映り合つて殊更に明るく、授業は
既
(
とう
)
に済んだので、
坦
(
たひら
)
かな運動場には人影もない、夏も初の鮮かな日光が溢れる様に流れた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
では、久我さんの
言
(
ことば
)
を借りれば——
動機変転
(
モチフ・ワンデル
)
。ねえ、そうでございましょう。でも、そんな隈取りは、もう
既
(
とう
)
に洗い落してしまいましたわ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
遙
(
ずつ
)
と隔つた處にゐて、
既
(
とう
)
から天理教に歸依してるといふ事は、豫て手紙で知つてもゐ、一昨年の暮弟の家に不幸のあつた時、その親戚からも人が來て重兵衞も改宗を勸められた事があつた。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
僕は
既
(
とう
)
から、この事件の起るのが予期されていたのです。なぜなら、遭難の夜には、吾々四人を前に、屍体の消失というありうべからざる現象が起ったではありませんか。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
遙
(
ずつ
)
と隔つた処にゐて、
既
(
とう
)
から天理教に帰依してるといふ事は、
予
(
かね
)
て手紙で知つてもゐ、一昨年の暮弟の家に不幸のあつた時、その親戚からも人が来て重兵衛も改宗を勧められた事があつた。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
既
常用漢字
中学
部首:⽆
10画
“既”を含む語句
既往
既望
既成
既知
既寿永昌
既倒
皆既日蝕
爾既徳行無取
既記
衆生既信伏質直意柔軟
皆既蝕
既西堂
既製洋服
既製
衆生既信伏
既立兮王業成
回瀾既倒
既發見
既決
既早
...