旗挙はたあ)” の例文
この策がもし完全に遂行されたら、東軍の内部には、大きな動揺が起るものと、家康も、三成の旗挙はたあげを知ると同時に、第一に恐れた策であった。
かねて申合せしごとく、尾越おごしどの旗挙はたあげの儀はかたく心得申しそうろう、援軍ならびに武具の類、当月下旬までに送り届け申すべく候、そのほか密計の条々じょうじょう相違あるまじく、ねんごろに存じ候、小田原おだわら
城を守る者 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そのころ「国民文学」や「文学界」に旗挙はたあげをして、新しい思想運動を興そうとした血気なロマンティックな青年たちに、歌の心を授けた女の多くは、おおかた葉子から血脈を引いた少女らであった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
木曾どのの旗挙はたあげにくみして、大いに志をべようとしたものですが、義仲公は時代の破壊者としては英邁えいまいな人でしたが、新しい時代の建設者ではなかったのです。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)