新撰字鏡しんせんじきょう)” の例文
最古の字書の『新撰字鏡しんせんじきょう』には菌の字の下に宇馬之屎茸と書いてあるところからみれば、この名はなかなか古い称えであることが知られる。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
柞の字は『新撰字鏡しんせんじきょう』には「くぬぎなり」とあり「草を除くをさんい木を除くをさくと曰う」とあるけれども、訓は「ナラの木」または「シイ」である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
つまり実際に摺染すりぞめせずに薫染するような気持と解するのである。また、榛は新撰字鏡しんせんじきょうに、叢生曰榛とあるから、灌木の藪をいうことで、それならばやはり黄葉もみじの心持である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
右のオカトトキを昔はアサガオと呼んだとみえて、それが僧昌住しょうじゅうあらわしたわがくに最古の辞書である『新撰字鏡しんせんじきょう』にっている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
この状態であるから『新撰字鏡しんせんじきょう』とか『和名鈔』とかいう平安朝の語彙ごいの中には、山扁土扁などの語ははなはだ少ないので、せいぜいで五十か七十はあろうが
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
新撰字鏡しんせんじきょうに、明。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
古いところでは『新撰字鏡しんせんじきょう』や『倭名類聚抄わみょうるいじゅしょう』それから大分おくれて『伊呂波いろは字類抄』などが、後々増補してほぼ現存の標準語の数をつくしているように見えるが
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
すなわちこの麦門冬をヤマスゲと称することは古く深江輔仁ふかえのすけひとの『本草和名ほんぞうわみょう』ならびに僧昌住しょうじゅうの『新撰字鏡しんせんじきょう』にそう出ており、また源順の『倭名類聚鈔』にも同じくそうある。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
フキは僧昌住しょうじゅうの『新撰字鏡しんせんじきょう』にはヤマフヽキとあり、深江輔仁ふかえのすけひとの『本草和名ほんぞうわみょう』にはヤマフヽキ一名オホバとあり、また源順みなもとのしたごうの『倭名類聚鈔わみょうるいじゅしょう』にはヤマフヽキ、ヤマブキとある。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
千年ほど前に出来た辞書、それは人皇五十九代宇多帝の時、寛平四年すなわち西暦八九二年に僧昌住しょうじゅうの著わした『新撰字鏡しんせんじきょう』に「桔梗、二八月採根曝干、阿佐加保、又云岡止々支」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
この売子木を『新撰字鏡しんせんじきょう』で河知左(カワヂサ)とし『和名抄』で賀波知佐乃木(カワヂサノキ)としたのは無論サンダンカをいったものではなく何か別の邦産植物をててかく称えたものだろうが
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)