しば/\)” の例文
旧字:
そしてつねに茶山去後に其地に到つた。蘭軒は茶山に、その現に江戸にあつて、大田と同居し、しば/\己を訪ふことを報じた。敬助は文章を善くした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
水品の美、真に赤松氏利根川図志の記するところの如し。予かつてしば/\これを試みしに、山本氏の「清風」は茶の至美なる者にあらずと雖、神味とみに加はりて、霊気心胸に沁むものあるを覚ゆ。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
例之たとへば蘭軒は酒を飲むに、しば/\青魚鮞かずのこを以て下物げぶつとした。そして青魚鮞を洗ふには、必ず榛軒の手を煩した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
世の口さがなきものは、そのしば/\女児を喪ふを見て、一の狂句を作つた。「箱好が過ぎて娘を箱に入れ。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)