数人すにん)” の例文
旧字:數人
一本の太い鉄柱をようして数人すにんの人が立っていて、正作は一人その鉄柱の周囲を幾度いくたびとなく廻って熱心に何事かしている。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それで少し安心して、こつちから吉田を出すことも控へて置いた。併し数人すにん申分まをしぶんがかう符合して見れば、容易な事ではあるまい。跡部はどうするつもりだらうか。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
数人すにんの船頭は河原の木ぎれを拾ひ集めて、火を焚き附けた。焔は螺旋状によぢれて、暗い空へ立ちのぼる。
これに加うるに競争者の相手も今は数人すにんの多きに上りて、いわゆる見積りの価格なるもの、また次第に騰貴して、三十五万円の声を聞き、なおその競争の容易に止まるべくもあらざれば
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
数人すにんの父となりし友
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)