放擲うつちや)” の例文
仕事は放擲うつちやらかして、机の上に肘を突き兩掌でぢくり/\と鈍痛を覺える頭を揉んでゐると、女中がみしり/\梯子段はしごだんを昇つて來た。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
まあ、はたで見て居ても気の毒な位。「頼む」と言はれて見ると、私も放擲うつちやつては置かれませんから、手紙で寺内の坊さんを呼寄せました。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
自體じたい周三が、此のき始めた時の意氣込いきごみと謂ツたら、それはすばらしいいきほひで、何でもすツかり在來ざいらいの藝術を放擲うつちやツて、あたらしい藝術に入るのだと誇稱こしようして
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)