撃攘げきじょう)” の例文
加うるに江南以東の富力を擁し、充分、両国の疲弊をうかがってこれへ大挙して来たものとすれば、これは容易なことでは撃攘げきじょうできまい
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たゞ一婦人の身を以て兵を起し城をほふり、安遠侯あんえんこう柳升りゅうしょうをして征戦に労し、都指揮としき衛青えいせいをして撃攘げきじょうつとめしめ、都指揮劉忠りゅうちゅうをして戦歿せんぼつせしめ、山東の地をして一時騒擾そうじょうせしむるに至りたるもの
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「そうむきになるなよ、おれは貴公の説を蒙味と云ったのじゃない、誰をもさして云ったんじゃない、むやみに夷狄いてきを討てという、理非を弁ぜずただ夷狄を撃攘げきじょうしろという説は蒙昧だというんだ」
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
殆ど、瀕死ひんしの状態にまで撃攘げきじょうされていた山県昌景の隊とついに合流して、その当面の敵軍——越後の柿崎隊の勝ちほこっていたものを——見るまに反撃し、追い討ちし、潰乱かいらんせしめた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを通さじと、防ぎに馳せ向った蜀軍は、第一回にまず撃攘げきじょうをうけ、第二回に衝突した廖化りょうか、王平などの軍勢も、ほとんど怒濤の前に手をもって戸を立て並べるが如きもろさでしかなかった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直ちに彼を撃攘げきじょうせん。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)