“撃柝”の読み方と例文
読み方割合
げきたく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
館の中での乱痴気さわぎも、ここらあたりへまでは聞こえて来ず、厩舎で馬が地を蹴る音や、非常をめる巡視の卒の、撃柝の音ばかりが聞こえて来た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
撃柝一声、囃子は鳴りをむるとき、口上はがいわゆる不弁舌なる弁をいて前口上をわれば、たちまち起こる緩絃朗笛のみて、静々歩み出でたるは、当座の太夫元滝の白糸
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜が更けて夜番の撃柝の音がきこえ出すと、堯は陰鬱な心の底でいた。
冬の日 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)