揺落ゆりおと)” の例文
旧字:搖落
馬の背に立ついわお、狭く鋭く、くびすから、爪先つまさきから、ずかり中窪なかくぼに削った断崖がけの、見下ろすふもとの白浪に、揺落ゆりおとさるるおもいがある。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
死力をめて、起上ろうとすると、その渦が、風で、ごうと巻いて、きながら乱るると見れば、計知はかりしられぬ高さからさっと大滝を揺落ゆりおとすように、泡沫あわとも、しぶきとも、粉とも、灰とも
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)