揺出ゆりだ)” の例文
それから青芒あおすすきの線をのばして、左へ離れた一方に、一叢立ひとむらだちやぶがあって、夏中日も当てまい陰暗く、涼しさは緑の風を雲の峰のごとく、さと揺出ゆりだし、揺出す。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うぢやの、もの十七八ちょうもござらうぞ、さしわたしにしては沢山たんともござるまいが、人の歩行あるみちは廻り廻りうねつて居るで、半里はんりもござりましよ。」と首を引込め、又揺出ゆりだすやうにして
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)