掲示けいじ)” の例文
「ウン、鴨下——というか。ここの主人公の名前だな。その主人公は旅行に出かけたという掲示けいじだ。なアんだ。中は留守じゃないか」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「おいおい、行ってみや。番人が代ったぜ。こんどの奴ア八頭芋やつがしらみてえな面をした凄え坊主だ。おまけに、墻門かきもんに何やらむつかしい掲示けいじなんぞ貼りだしやがる」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つぎの朝早くわたくし実習じっしゅう掲示けいじする黒板にこう書いておきました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
告知板こくちばん掲示けいじをしてあるほか、午後一時のラジオで「行路病者こうろびょうしゃ」の仲間に入れて放送もしたのであるが、さらに引取人の現れる模様がなかった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と——蛾次郎も卜斎の視線しせんにならってその方角ほうがくへ目をやってみると、竹矢来たけやらいの一かく、そこはいまあらかたの弥次馬やじうま獄門台ごくもんだい掲示けいじ高札こうさつを見になだれさったあとで、ほのあかるい夕闇ゆうやみに、点々てんてん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)