掛持かけもち)” の例文
軍の方では第一軍、第二軍、第三軍、第四軍を編成して、それが別々の方面へ向って出動するのに、一人の記者が掛持かけもちをすることは出来ません。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
僕も詰まらない義理づくめで、講義の掛持かけもちるもんだから、時間のないことは御同様だ。こんな折にでも寄つてくれなけりやあ、めつたに話も出来はしない。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
また風を引き風声かざごえになりまして、風声と咽喉加答児とが掛持かけもちを致して居りますると云う訳でもござりませんが、何時いつまでもお話を致さずにもられませんから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それからういふことがあつた。或朝田辺校長が腹が痛いといふので、甲田が掛持かけもちして校長の受持つてる組へも出た。出席簿をつけようとすると、一週間といふもの全然まるで出欠が付いてない。
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)