ひね)” の例文
しらみひねる事一万疋に及びし時酒屋さかや厮童こぞうが「キンライ」ふしを聞いて豁然くわつぜん大悟たいごし、茲に椽大えんだい椎実筆しひのみふでふるつあまね衆生しゆじやうため文学者ぶんがくしやきやう説解せつかいせんとす。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
『菩提場経』に馬頭尊の鼻を猿猴のごとく作る。猴がさわぐと馬用心して気が張る故健やかだと聞いたが、馬の毛中の寄生虫をひねる等の益もあらんか。
火事場の稼ぎにもゴムのよろいに身を固むることを忘れざれば天狗てんぐ鼻柱はなばしら遂に落るの憂なく、老眼今なほ燈下に毛蝨けじらみひねつて当世の事を談ずるの気概あり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
こりゃどうもおおいに面目のねえこった。彼はぜひとも大きな奴をひねり出そうと思ってあちこち捜した。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)