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捨扶持
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すてぶち
ふりがな文庫
“
捨扶持
(
すてぶち
)” の例文
まず知っているとして置こう。あの老人は人物だ。徳川家の忠臣だ。しかし一面
囚人
(
めしゅうど
)
なのだ。同時に徳川家の客分でもある。
捨扶持
(
すてぶち
)
五千石を
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その間じゅう、若い頃も年とった今も、僕はあんたから、年額五百ルーブリ
也
(
なり
)
の、
乞食
(
こじき
)
も同然の
捨扶持
(
すてぶち
)
を、ありがたく
頂戴
(
ちょうだい
)
しているにすぎないんだ。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この婆さんの娘はさる高名な占師(これが兄弟の叔父さんだ)の妾であつたが、若死して、婆さんは三十円の
捨扶持
(
すてぶち
)
で占師に余世の保証を受けてゐた。
二十一
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
そこで安く積っても四千石や五千石の
捨扶持
(
すてぶち
)
と、
笹
(
ささ
)
の
間
(
ま
)
詰
(
づめ
)
番頭
(
ばんがしら
)
のお役付が、帰る先にはブラ下がっている。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれで小堀樣から、少しでも
捨扶持
(
すてぶち
)
が貰へるだらうよ——憎いのは捨吉だ。お主の一粒種を殺し、お勘坊を殺した上、女房にまで濡れ衣を着せようとしやがつた」
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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「あれで小堀様から、少しでも
捨扶持
(
すてぶち
)
が貰えるだろうよ——憎いのは捨吉だ。お主の一粒種を殺し、お勘坊を殺した上、女房にまで濡れ衣を着せようとしあがった」
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの有名な天一坊事件、その張本の山内伊賀介、その後身ではあるまいか? 非常な学者だというところから、特に助命して大岡家に預け、幕府執政の機関とし、
捨扶持
(
すてぶち
)
をくれていたのかもしれない。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
捨
常用漢字
小6
部首:⼿
11画
扶
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
“捨”で始まる語句
捨
捨鉢
捨児
捨置
捨台詞
捨身
捨石
捨台辞
捨小舟
捨科白