捏粉ねりこ)” の例文
捏粉ねりこのパンをこう作れ——手と桶とをよく洗え。粉を桶に入れ、徐々に水を入れ、それを完全にねよ。よく捏ねおわったら形をつくり、蓋を
クリストフの強健な手がこね上げた音響の捏粉ねりこからは、いまだ世に知られぬ和声ハーモニーの集団が、人を眩暈めまいせしむるばかりの和音の連続が、出て来た。
唐金色からかねいろ薔薇ばらの花、天日てんぴに乾いた捏粉ねりこ唐金色からかねいろ薔薇ばらの花、どんなにれる投槍なげやりも、おまへの肌に當つては齒もにぶる、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
⦅この人を巧くまるめこんでおかなくちゃなるまいて。そうそう、昨夜ゆうべ捏粉ねりこがまだ残っていた筈だから、フェチニヤに言いつけて、あれで薄焼ブリンを焼かせよう。
過去には同じやみ、現世には同じ肉、未来には同じちり。しかしながら、人を作る捏粉ねりこに無知が交じればそれを黒くする。その不治の黒色は、人の内心にしみ込み、そこにおいて悪となる。
菓子をこしらえながら、指の間に残ってる捏粉ねりこを包丁で取ってる母親——前日河に泳いでるところを見かけた溝鼠どぶねずみ——柳の枝でこしらえたいと思っていたむち……。
彼女が大きな桶で、捏粉ねりこをこねにかかるとな、不意にその桶が踊りだしたのぢや。
あの偶然に捏粉ねりこが酸くなって醗酵の方法を教えたものと考えられる段階を経、その後の各種の醗酵法を経て、生命の糧たる「良い、うまい、からだのためになるパン」にいたるまでをたどった。
空虚な協奏曲コンセルトと感銘深い奏鳴曲ソナタとの間に差別も設けない、なぜなら二つとも同じ捏粉ねりこでできてるから。