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拐帯
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かいたい
ふりがな文庫
“
拐帯
(
かいたい
)” の例文
旧字:
拐帶
「金なくて駈け落ち道中が出来るか! 主人の金を
拐帯
(
かいたい
)
し、遁がれて来おった汝らであろう、吐き出せ金を! みんな吐き出せ!」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
夫人の姉が第二夫人のような形で
同棲
(
どうせい
)
し、彼の家政を見かたがた子供の世話をしていたが、それが最近少なからぬ金を
拐帯
(
かいたい
)
して
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あなたにだけは、
拐帯
(
かいたい
)
犯人だということを知られたくなかった。ここで語り合ったあの姿で、あなたの記憶にとどめて置きたかったからです
キャラコさん:03 蘆と木笛
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「その女は二年前に君の金を
拐帯
(
かいたい
)
して逃げたというのかね。女がマーゲートへ下車したという事は間違いないかね。」
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
「これは
予々
(
かねがね
)
捜索して居た、
拐帯
(
かいたい
)
犯人の権堂賛之助です、本署へ電話をかけて護送の手続をして下さい」
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
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私へ送って来た二百円の金を
拐帯
(
かいたい
)
して逃げ失せるような男とは、どうしても思えなかった。
眼を開く
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ヘレナ、大神ゼウス天鵝に化けて、スパルタ王の妻レーダに通じ生ませた娘で、神を
妬
(
ねた
)
ますばかりの美貌から、一生に二度
拐帯
(
かいたい
)
され、四人の妻となった。トロヤ大合戦もここに起った。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「ぢや、あの原因は……何か費消とか
拐帯
(
かいたい
)
とかいつたことでも?」
灰色の眼の女
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
情婦殺しや
拐帯
(
かいたい
)
犯人も人生の十字架にかかつてゐるのだ。
闇中問答
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「……キャラコさん、驚かないでくださいね。私は、昨年の暮れから世間を騒がせていた三万円の
拐帯
(
かいたい
)
犯人なんです」
キャラコさん:03 蘆と木笛
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
養蚕の失敗に引続く信用組合の公金
拐帯
(
かいたい
)
の尻を引受けて四苦八苦の状態に陥り、東京で
近衛
(
このえ
)
の中尉を勤めている長男の仙七の血の出るような貯金までも使い込んでいる有様で
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は今顧問弁護士をしていた会社の金を三万円
拐帯
(
かいたい
)
して、留守中の家族と
乾分
(
こぶん
)
の手当や、のっぴきならない負債の始末をして、一旗揚げるつもりで
上海
(
シャンハイ
)
へ走るところであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
鳴川留之丞はそれを
怨
(
うら
)
んで、砧右三郎と鞍掛宇八郎が、役柄で預かっている芸州城の絵図面を盗み出し、多年積んだ不義の富を
拐帯
(
かいたい
)
して江戸の
坩堝
(
るつぼ
)
の中に深く隠れてしまったのです。
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
虎間女教諭の
縊死
(
いし
)
、川村書記の大金
拐帯
(
かいたい
)
等の怪事件を連続的に惹起し、まだ怪火の正体さえ判明せざるうちに、同校と県、警察当局とを
未曾有
(
みぞう
)
の昏迷の渦巻に巻込んでいるが、更に又
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“拐帯”の意味
《名詞》
預かった物をそのまま持って逃げること。
(出典:Wiktionary)
拐
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
帯
常用漢字
小4
部首:⼱
10画
“拐帯”で始まる語句
拐帯者