はだか)” の例文
前下りに結んだ三尺がだらしなく、衣服きものまへはだかつて、毛深い素脛からツつねが遠慮もなく現はれる。戸口に凭れてゐる娘共には勿論の事、逢ふ人毎に此方から言葉をかける。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『ハア、怎うも。……それでゐて恁う、始終何か喰べて見たい樣な氣がしまして、一日口按排あんばいが惡う御座いましてね。』とお柳もはだかつた襟を合せ、片寄せた煙草盆などを醫師の前に直したりする。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『ハア、うも。…………それでゐてう、始終しよつちゆう何か喰べて見たい様な気がしまして、一日いちんち口案配が悪う御座いましてね。』とお柳もはだかつた襟を合せ、片寄せた煙草盆などを医師いしやの前に直したりする。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)