打付うちつ)” の例文
私などもまだ播州ばんしゅうにいたころ、大きな西洋釘せいようくぎに紙のふさを附けたものを、地面に打付うちつけているのを見たことがあるが、あぶないといって持つことを許されなかった。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
助七は今の口上を聞き、成ほど普通の品より、手堅く出来てはいようが、元々釘で打付うちつけたものだから叩いて毀れぬ事はない、高慢をいうにも程があると思いましたゆえ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
終戦と同時に、入口の戸は五寸釘ごすんくぎ打付うちつけ、窓も全部板を当てて釘付けにして来たのであるが、二階の明り取りの硝子をこわして、中からあけたので、簡単に破られてしまった。
硝子を破る者 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
れと打付うちつけてふのも、院長ゐんちやうはぢかせるやうなものと、なんともはずにはゐたが、同僚どうれう院長ゐんちやうアンドレイ、エヒミチを心祕こゝろひそかに、老込おいこみ怠惰者なまけものとして、やつ金計かねばか溜込ためこんでゐるとうらやんでゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それと打付うちつけてうのも、院長いんちょうはじかせるようなものと、なんともわずにはいたが、同僚どうりょう院長いんちょうアンドレイ、エヒミチを心秘こころひそかに、老込おいこみ怠惰者なまけものとして、やつかねばかり溜込ためこんでいるとうらやんでいた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
と膝の所へ金を打付うちつけました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)