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戸納
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とだな
ふりがな文庫
“
戸納
(
とだな
)” の例文
与平が撞木杖を持ってゆき、自分の
戸納
(
とだな
)
の中へしまい込むのを眺めながら、栄二は息を静かに長く吸い、それを用心ぶかく吐きだした。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこは六
帖
(
じょう
)
を二つつなげたような、縦に長い部屋で、向うに腰高窓があり、左右は三段の
戸納
(
とだな
)
になっていた。
赤ひげ診療譚:01 狂女の話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
隼人は静かに立ちあがって
戸納
(
とだな
)
をあけ、手文庫の中から一通の封書を取り出すと、戻って来て帯刀に渡した。
ちくしょう谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そんなときにはやがて眼ちがいということがわかるし、そうすると眼ちがいをしたことを隠すために、その「とんでもない物」は
戸納
(
とだな
)
の中へ放りこんでしまう。
末っ子
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「歌の中にはこれと思い当るものがなかったので、そのまま
戸納
(
とだな
)
の中へ入れておいた」と五郎太は続けた
古今集巻之五
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
夕餉
(
ゆうげ
)
には卵を買って、
精
(
しら
)
げた米で、心をこめて雑炊を拵えた。それから
戸納
(
とだな
)
をあけて大きい包を取出した。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
自分の部屋に帰って、記録の包みを
戸納
(
とだな
)
へしまってから、登は森半太夫の部屋を訪ねた。半太夫は机のそばに行燈をひきよせて、日記を書いているところだった。
赤ひげ診療譚:05 徒労に賭ける
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その部屋には六尺の
戸納
(
とだな
)
があった。彼はそっとその唐紙をあけてみた、上下の段にきっちり蒲団が重ねてある。客用のではない、家士たちの使う予備のものらしい。
日日平安
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
道具らしい物は小さな古い
茶箪笥
(
ちゃだんす
)
と箱膳、火鉢と炭取だけで、ほかの物は
戸納
(
とだな
)
へでもしまってあるのか、眼につく物はなにもないし、掃除もよくゆきとどいていた。
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ながいあいだの習慣だから母親の
椙女
(
すぎじょ
)
は、彼がそう云おうと黙っていようと、茶
箪笥
(
だんす
)
のほうへ振返って、「上の
戸納
(
とだな
)
をあけてごらんなさい、鉢の中に
飴
(
あめ
)
があった筈ですよ」
ひやめし物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
力まかせに突きとばされて、与平が土間へ転げ落ちたのを見たとき、栄二は眼の
昏
(
くら
)
むような怒りにおそわれ、うしろの
戸納
(
とだな
)
に立てかけてある撞木杖に手を伸ばそうとした。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
起きて夜具をたたみ、
戸納
(
とだな
)
へそれをしまうにも、殆んど物音をさせない。これらはすべて、大切な重病人が側に眠ってでもいるように、注意ぶかくひそやかにおこなわれた。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこは薬
戸納
(
とだな
)
があけてあるし、
抽出
(
ひきだし
)
はみんな半ばまで引き出され、床板の上には袋入りの薬がいちめんに積んであるため、娘の坐る
円座
(
えんざ
)
をどこへ置くかに迷うくらいであった。
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ふさはその声が聞えなかったらしく、黙って
戸納
(
とだな
)
のところへゆき、その前で立停った。
その木戸を通って
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
部屋にはめいめいの仕切り
戸納
(
とだな
)
があり、自分の物は各自で持つことを許されていた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
おせんは消した
焚
(
た
)
きおとしで火を作ろうかと思ったが、それだけあれば朝の煮炊きが出来るので、そのままそっと部屋の中へはいってゆき
戸納
(
とだな
)
からあの風呂敷包をそこへ取り出した。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それは六帖ほどの広さで、片方は造り付けの
戸納
(
とだな
)
、片方は壁で、壁際に渋紙で包んだ物が積んであり、その包みから発するらしい一種の、ひなた臭い匂いが、部屋いっぱいにこもっていた。
赤ひげ診療譚:02 駈込み訴え
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
片方はひび割れた壁、片方は重たげな板戸の
戸納
(
とだな
)
になっていた。
赤ひげ診療譚:01 狂女の話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
納
常用漢字
小6
部首:⽷
10画
“戸納”で始まる語句
戸納質