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懸合
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かけあひ
如何にも
世帶染みた、商賣の
懸合でもするやうな
風であつたので、小池はこの時初めて
女將としてのお光を見たと思つた。
不動院が聞付て中へ立入りしかば然ば御
坊に御
任せ申すとて夫より
懸合の上金三十五兩今宵中に
才覺して渡すべしと
約束を
新吉原江戸町一丁目玉屋山三郎の方へ申こみ
目見えを致させけるに
容貌も十人
並に
優れしかば大いに氣に
入だん/\
懸合の
末年一ぱい金五十兩と相談を
其方共儀長八
娘身受相談の儀は
公儀に於ても孝心を御賞し有るに
付利欲に
關らず
深切に
懸合を
遂遣はすべし