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憎体
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にくてい
ふりがな文庫
“
憎体
(
にくてい
)” の例文
死ニ顔ハドンナ顔ニナルダロウカ。ナルベク今ノ程度ニハ太ッテイテ貰イタイナ。少シ
憎体
(
にくてい
)
ニ見エルクライニ。………
瘋癲老人日記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
いつぞや厄介の
貝六
(
かいろく
)
と赤崎才市へ、変な手紙を持って来た小僧は、この小柄なくせに妙にませた
憎体
(
にくてい
)
なくせに
何処
(
どこ
)
か可愛らしい小僧だったことを思い出しました。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
兄弟子雷蔵の目の、ギョロリとして青味がかった
憎体
(
にくてい
)
な顔が、今松の前の闇のなかへヌーッと見えた。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
兄は
憎体
(
にくてい
)
に云ひ放つたなり、徳蔵にも挨拶も何もせずに、さつさと何処かへ行つてしまひました。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と青い帽子をずぼらに
被
(
かぶ
)
って、目をぎろぎろと光らせながら、
憎体
(
にくてい
)
な
口振
(
くちぶり
)
で、歯磨を売る。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「ざまァみろ。」わざとそう
憎体
(
にくてい
)
にいったあとで三浦はいった。「おせえてやろうか?」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
お峰ちやんは怖い顔をして睨めておいてほーれ草をぶらさげたまま帰つてゆくのでいつけられはしまいかとこはごは見送つてたらひよいとふりかへつて
憎体
(
にくてい
)
に腭をつきだしてかけていつた。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
好くもこう
憎体
(
にくてい
)
な連中だけが寄集って自惚事を
喋
(
しゃべ
)
り合っているものだ、こんなところにあの一団が踏み込んだらそれこそ一網打尽の素晴しさで
後
(
あと
)
くされがなくなるだろうに——などと思って
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
とぼけた面相のせいか、どことなくおかし味があって、こんな毒のあることを言っても、いっこう
憎体
(
にくてい
)
にならないのが不思議。うつむいて、石仏のように黙念としているのを、しり目にかけながら
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と其
憎体
(
にくてい
)
さと云ったら無いので有った。
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
舟の中にいるのは、紛れもなく浪人森右門の五十がらみの
憎体
(
にくてい
)
な顔だったのです。
銭形平次捕物控:036 八人芸の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どういう訳だか、不思議なもんさね、」と源次郎は
憎体
(
にくてい
)
な。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それを烏がねらつてきて
憎体
(
にくてい
)
に尻をふつてつつつきまはる。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
顎十郎のいい方はすこし
憎体
(
にくてい
)
である。
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
平次の差出した提灯に照らされたのは、ねんねこ
半纏
(
ばんてん
)
を着て
耄碌頭巾
(
もうろくずきん
)
を冠り、浅黄の
股引
(
ももひき
)
をはいた老人姿ですが、顔を見るとまだほんの三十前後。——毛虫眉の
顎
(
あご
)
の張った少し
憎体
(
にくてい
)
な男です。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
笑子は
憎体
(
にくてい
)
に、ふン、と鼻を鳴らし
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
様子が滅法可愛らしい癖に、言うことは恐ろしく
憎体
(
にくてい
)
です。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
憎体
(
にくてい
)
に罵った。
ひどい煙
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
憎
常用漢字
中学
部首:⼼
14画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“憎体”で始まる語句
憎体面