慰問いもん)” の例文
江戸開城かいじょうの後、予は骸骨がいこつい、しばらく先生とたもとわかち、あと武州ぶしゅう府中ふちゅうの辺にけ居るに、先生は間断かんだんなく慰問いもんせられたり。
同時どうじに、こころは、昼間ひるま慰問いもんにきてくれた、幼稚園ようちえん生徒せいとらのまじじりけのない姿すがたをよみがえらせました。そして、あののぱっちりした少女しょうじょ
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あによめが「会社へいらっしゃるの」と聞いたけれど、返事もしないで外に出た。無論会社へ出る為ではなかった。初代の母親を慰問いもんする為でもなかった。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
独りり場もない惨心さんしんのうちに、切髪の初冬をどんなに寒く傷ましくお生活くらしであろうかと、その慰問いもんも永らく胸にだけ思っていたので、今日は——と、その宿志を果すために
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)