愛相あいそう)” の例文
「御機嫌よろしゅう」、「さようなら」なんぞという詞が、愛相あいそうい女学生達の口から、さえずるように出た。詠子さんは窓の内に真っ直に立って、あごで会釈をしている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
で智深はただ、彼らの愛相あいそうや馬鹿ばなしに退屈を忘れ、他愛もなく一しょに興じあっていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どれもこれもうまくもなさそうだが、香気こうきがあるのでちょっと愛相あいそうになったものであろう。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
如何いかに何でも余り情無い、宮さん、お前はそれで自分に愛相あいそうは尽きないかい。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)