なつか)” の例文
何と云つても友達程なつかしいものはない、我儘な、殊に我儘な自分の喜びや悲しみをほんとうに聞いて呉れるのは友達より他にない、それも同じ道に長い日を送つた友達
〔編輯余話〕 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
……披々披々ひらひらひらひら、……「オヤ、いつの間にか春が訪れたのか。」と、私は思つて、明るい灯火に照し出された銀座通りの柳の葉を、あふるゝばかりのなつかしみの心で窺ひながら
青白き公園 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その人の詩に接して見るとそれに一層暖みのある興味となつかしみを感ずることが出来ましたから、艶子はせめて詩人の名前だけでも沢山覚えたいと、よくレオナさんに云ひました。
駒鳥の胸 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「冬の夜」といふものが心からなつかしく嬉しく思はれるのでした
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)