徳富蘇峰とくとみそほう)” の例文
徳富蘇峰とくとみそほうは『将来之日本』をひっさげて故山から上って帝都の論壇に突入し、続いて『国民之友』を創刊して文名隆々天下を圧する勢いがあった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
この一冊は表紙に「㦣語、抽斎述」の五字が篆文てんぶんで題してあって、首尾すべて抽斎の自筆である。徳富蘇峰とくとみそほうさんの蔵本になっているのを、わたくしは借覧した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わたしはいつもっていたことですが、滝田たきたさんは、徳富蘇峰とくとみそほう三宅雄二郎みやけゆうじろう諸氏しょしからずっとくだって僕等ぼくらよりもっととしわかひとにまで原稿げんこうつうじて交渉こうしょうがあって、色々いろいろ作家さっか逸話いつわっていられるので
夏目先生と滝田さん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その頃徳富蘇峰とくとみそほう朝比奈碌堂あさひなろくどう森田思軒もりたしけんの三人が新らしい文人の会合を思立おもいたって文学会を組織した。蘇峰と碌堂とは新進第一の論客として勢望既に論壇を圧していた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)