復辟ふくへき)” の例文
もちろん追放された復辟ふくへき派の一人で、長い立派な髯に、黄色い大きな禿頭をした男だったが、その口からは、艇長死体の消失をさらに紛糾させ
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
併し、モナコに於て、零落れいらくしたフランス貴族の復辟ふくへきの夢も破れてしまったのです。イスタンブールで恋人はその身を果敢はかなんで、死んでしまったのです。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
川島の名は粛親王しゅくしんのうの姻親として復辟ふくへき派の日本人の巨頭としてぐうを負うの虎の如くに今でも恐れられておる。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
現代の支那を如何にすべきか? この問題を解決するものは、共和にあらず復辟ふくへきにあらず。這般しゃはんの政治革命が、支那の改造に無力なるは、過去既に之を証し、現在また之を証す。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こうした経緯いきさつが、言葉を待つまでもなく、七人の復辟ふくへき派には次々とうかんでいった。まるで、ウルリーケの一言がつぶてのように、追憶の、巻き拡がる波紋のようなものがあったのである。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)