御厩河岸おうまやがし)” の例文
御厩河岸おうまやがしから、石原へ行つたに違ひない、が、金と女を積んで、御船手や橋番の眼を潜るのは厄介だから、多分上手へ漕ぎだしたらう」
御厩河岸おうまやがしわたしを越して彼方かなたよこたわる大川橋おおかわばしの橋間からは、遠い水上みなかみに散乱する夜釣よづりの船の篝火かがりびさえ数えられるほどになると
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「いやだねえ、昨日は御厩河岸おうまやがしに親子の抱き合い心中があがったし、なんて世の中だろう」
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
御厩河岸おうまやがしから、石原へ行ったに違いない、が、金と女を積んで、御船手や橋番の眼をくぐるのは厄介だから、多分上手へぎだしたろう」
御厩河岸おうまやがし榧寺かやでらには虫歯に効験しるしのある飴嘗あめなめ地蔵があり、金竜山きんりゅうざん境内けいだいには塩をあげる塩地蔵というのがある。
それと同じように御厩河岸おうまやがしわたよろいわたしを始めとして市中諸所の渡場は、明治の初年架橋工事の竣成しゅんせいと共にいずれも跡を絶ち今はただ浮世絵によって当時の光景をうかがうばかりである。