あら)” の例文
意は内に在ればこそ外にあらわれもするなれば、形なくとも尚在りなん。されど形は意なくして片時も存すべきものにあらず。
小説総論 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼は驚きてわが黄なる面を打守りしが、我が眞率なる心や色にあらはれたりけん。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼は驚きてわが黄なる面を打守りしが、我が真率なる心や色にあらはれたりけん。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
抑々小説は浮世にあらわれし種々雑多の現象(形)の中にて其自然の情態(意)を直接に感得するものなれば、其感得を人に伝えんにも直接ならでは叶わず。直接ならんとには摸写ならでは叶わず。
小説総論 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)