強奪ふんだく)” の例文
何でも手前てめえの懐にたんまりあるだろうから出せ、金を強奪ふんだく裸体はだかにするのだ、殺しゃアしねえが身体にきずを附けて三年あとの意趣をけえすのだ、さ金を出せ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すると両人ともずかずかと私の前に来て私の持って居る杖を強奪ふんだくってしまったです。で、「何を持って居るかさっそく言え、一体手前はどこから来たのか」
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
だれだったか何かの雑誌で『愛は奪う』というものを書いて、人間が物を愛するのはその物を強奪ふんだくるだと言っていたようだが、おら山を見ていると、そんな気は起こしたくも起こらないね。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
てまえ余程よっぽど金を持ってる事ア知ってる、さ己がてめえの姉の為にう云う姿になった代りに金を強奪ふんだくって汝を殺すのだが、金を出しゃア命はゆるしてろう、おれは追剥おいはぎをするのじゃアねえけれども
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)