座興ざきょう)” の例文
売僧まいす、ちんかも座興ざきょうにしては折檻せっかんが過ぎようぞ、眉間傷が夜鳴き致して見参けんざんじゃ。大慈大悲のころもとやらをかき合せて出迎えせい」
武骨な座興ざきょう——として、笑い声をあとに、天奏衆は、もう、かなり先へ進んで行っていた。出雲守をはじめ、あっけにとられた人々の顔が、まわりにあった。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
赤穂城に近い千種ちぐさ川で川狩が催された時である。舟中の宴の座興ざきょうに、内匠守長矩たくみのかみながのりがふと云い出した。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ママも年とったらアイノコの孫を抱くのだね、楽しみだね」と、極々ごくごく座興ざきょう的ではあったけれど或時かの女がそれを息子の前で言ってどやされたことをかの女は思い出した。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
まさか小机源八郎、それ程呑めもしないのだが、座興ざきょうを混ぜて吹飛ばしたのだ。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「なあに、時には座興ざきょうくつろぎになってよろしいです」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)