床石ゆかいし)” の例文
短い杖が、鼠をうように、小刻こきざみに床石ゆかいしの上を走る。そして、一つの、椅子いすにぶつかる。盲人は腰をおろす。かじかんだ手を暖炉だんろのほうに伸ばす。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
彼は家にいて、両手で足をかかえゆかにすわっている。靴拭蓆くつふきむしろを舟ときめ床石ゆかいしを川ときめたところである。蓆から出るとおぼれてしまうと考えてるらしい。
窓口まどぐちれはて、床石ゆかいしはこわれて、草がぼうぼうとえ、かべにはツタが一めんにからみついていました。
そして、それだけのものが床石ゆかいしの上にじかに置かれていた。その寝床の中に、コゼットが眠っていた。
靴拭蓆くつふきむしろの舟、奇怪な獣のいる床石ゆかいし洞窟どうくつ、そんなものさえもうなくてすむ。自分の身体だけでたくさんだ。
またある日には、それらの人々は各自順番に、十二時間引き続いて、床石ゆかいしの上にひざまずき、あるいは顔を床につけ腕を十字に組んで平伏しなければならなかった。
小さな素足で無器用に床石ゆかいしをたどりながら、階段を降りて見に行きたくなる。しかし扉はまっている。それを開くために椅子いすの上にのる。とたんに何もかも引っくり返る。