幕屋まくや)” の例文
と、そのとき、羽柴はしば荒旗本あらはたもと脇坂甚内わきざかじんない平野ひらの三十郎、加藤虎之助かとうとらのすけの三人、バラバラと幕屋まくやすそにあらわれて一大事を報告した。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は此の世にいわば幕屋まくやに住めるごとく宿り、あるときは谷間をたどり、あるときは広野をよこぎり、あるときは山の頂きをよじつつあった。
これは毎年の慣例しきたりで七月十五日の早朝あさまだきにご神体の幕屋まくやがひらかれるのである。そうして黄金の甲冑かっちゅうで体をよろった宗介様を一同謹んで拝するのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
悪を汝の幕屋まくやに留むるなかれ、さすれば汝顔をあげてきずなかるべく、堅く立ちておそるる事なかるべし
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)